「6月のラブレター」春田なな(全3巻):ふり返るとその顔は死んだはずの友人だった…!

読後感爽やかなラブコメは良いですよね! 春田なな「6月のラブレター」を今日はご紹介します。2000年デビューの春田なな先生、酒井まゆ先生は、2020年でデビュー20周年。私のりぼん初購読は2000年2月号からでしたので、この二人はやはり愛着があります。

春田先生といえば、連載中の「キスで起こして。」は、りぼんにしてはやや過激なタイトルの割に堅実な立ち上がりです。春田先生はベテランの重鎮として、ますます洗練されてきたように感じます。どれから紹介するか悩むところですが、直近完結の「6月のラブレター」がまとまりがいいので、今日はこれでいきます!(このブログのレビューは主に読んだことがない人向けに書いているため、核心的なネタバレは基本的に避けていますが、最低限・ほのかな程度は含みますのでご容赦ください)

目次

【作品概要とあらすじ】春田なな「6月のラブレター」

連載時期 『りぼん』2018年7月号 – 2019年9月号

あらすじ~高1のももこは小学校のころから極度に控えめな性格。支えてくれた親友・真昼は、中学入学を前に亡くなってしまう。そしてももこに訪れる初めての恋―― 一向に積極的になれないももこの前に、自称・幽霊となった親友の真昼が現れる。着れなかったはずの制服姿で…。絡みあう恋と友情。甘いのに、どこか切ない初恋感覚ストーリー。

春田なな先生 初のフル・デジタル作画作品

 とっても読みやすく、バランスの良い春田なな先生の画風ですが、「6月のラブレター」は、いつもよりトーンは少なめで、さっぱりした感じの作画になっているような印象を受けます。本誌連載より紙質が良い単行本は一層こざっぱり感がありますね。実は、1話目からデジタル作画に移行したため、長年培った修羅場の技術が活かせないと恐怖と戦いながら描いたそうです。アナログ作画の先生が減ってしまうのが惜しいですが、これも時代の流れ。モデルチェンジした春田先生の作画を堪能しましょう。

ステップ・バイ・ステップ、落ち着いて応援しながら読める点がグッド

やや臆病で気弱な主人公・藤田 ももこが、勇気を出して一歩ずつ、想い人の五十嵐 律と関係を深めていくのを応援したくなる点が、「6月のラブレター」の最大の魅力です。その理由は、律が自然体でももこを受け止めていく様子の描写の進み方が、なんとも心地よいからです。

律はおだやかでいつものんびり、眠たそうにしているという、なんとものほほんとした感じで、読んでいるこっちまでリラックスできます(笑)。自称・幽霊である親友の真昼が、ももこの体を乗っ取り(!)なにかとおせっかいを焼いてくれますが、ももこと律は二人の気持ちを慮りつつ、自分の気持ちを大切にして互いに向き合っているので、真昼の介入は決定打になるわけではありません。心が揺れ動きながらも、ももこはしっかり恋路に踏み出していきます。

もちろん、おせっかい焼きの親友の幽霊が主人公の体を乗っ取るドタバタコメディにしたら、それはそれで面白かったとは思います(その場合「姫ちゃんのリボン」での変身や分身姫ちゃんのような感じになったかもですね。)しかし、あえて二人の関係の進展をじっくり応援しながら見つめることができる作品にしたのは、春田先生ならではの手堅さです。

熟練の春田先生が送るきっちりまとまったストーリー

10巻超えの連載を2つ続けた後の全3巻の作品ということで、意外感がありますが、「6月のラブレター」は無駄なく、構想通りに仕上がっている印象です。「6月のラブレター」というタイトル通りに作品を収束させる技量はさすがです。ラストシーンのまとめ具合は、胸を打つ内容で読後感は爽やかです。

「6月のラブレター」は3巻という手頃な長さなので、一挙に読むのがちょうどよいです。清涼感ある絵柄と、爽快感あるラブストーリー、手を伸ばしてみませんか?
試し読みは→こちら

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